特定技能2号の条件とは?1号との違い・試験・対象11分野をわかりやすく解説

特定技能制度について調べていると、

  • 特定技能2号になるには、どんな条件が必要なの?
  • 特定技能1号と2号って、そもそも何が違うの?
  • 外食や農業でも2号は取れるの?
  • 家族を呼び寄せることはできる?
  • 永住につながるって本当?

といった疑問が次から次に出てきて、「調べれば調べるほど分からなくなってきた…」という方も多いのではないでしょうか?

先に結論からお伝えすると、特定技能2号を取得するには、①分野ごとの評価試験(または技能検定1級など)に合格すること、②現場で他の作業員を指導・管理した実務経験を積むこと、この2つが基本の条件になります。必要な実務経験の年数や日本語要件は分野によって異なるので、そこを一つずつ確認していくことが大切ですね。

この記事では、特定技能2号の条件を中心に、1号との違いや対象分野、試験内容、家族帯同や永住との関係まで、まとめて整理していきます。これから2号を目指す方はもちろん、受け入れを検討している企業のご担当者様も、ぜひ参考にしてみてください!

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特定技能2号とは?まずは制度の全体像をチェック

まずは、特定技能2号がどんな在留資格なのか、ざっくり全体像から押さえていきましょう。

特定技能は、2018年の入管法改正によって創設され、2019年4月にスタートした比較的新しい在留資格です。人手不足が深刻な産業分野で、一定の技能を持つ外国人材を受け入れることを目的につくられました。

この特定技能には「1号」と「2号」の2つの区分があり、2号のほうがより高い技能水準を求められるというイメージを持っていただくと分かりやすいと思います。

なお2027年4月には技能実習制度が育成就労制度へ移行し、特定技能制度もこれと接続する形で運用されていきます。特定技能2号は、その先にある最終的なステップという位置づけになります。

特定技能2号は「熟練した技能」を持つ人材向けの在留資格

特定技能2号は、「熟練した技能を要する業務に従事する外国人」向けの在留資格と定められています。

とはいえ「熟練した技能って、具体的にどのレベル?」と思いますよね。ここでポイントになるのが、現場のリーダーとして他の作業員を指導・監督できるかどうかという視点です。

たとえば建設分野なら班長、飲食料品製造業なら班長やライン長といったように、自分の作業をこなすだけでなく、複数のスタッフに指示を出しながら工程全体を管理できる人材が想定されています。実際、後ほど詳しく解説しますが、各分野の要件には「複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験」といった文言が並んでいるんです。

つまり特定技能2号は、単に作業が上手というだけでなく、現場を回せる人材かどうかが問われる在留資格だと言えますね。

なお特定技能2号になると、在留期間の更新に上限がなくなり、要件を満たせば配偶者や子どもを日本に呼び寄せることもできるようになります。ただし、「無期限で日本にいられる」わけでも「自動的に永住できる」わけでもないので、そこは混同しないよう注意しておきましょう。

対象分野は2分野→11分野に拡大された

特定技能2号を調べていて混乱しやすいのが、この対象分野の話ではないでしょうか。

というのも、制度がスタートした当初、特定技能2号の対象は「建設」と「造船・舶用工業(溶接区分)」の2分野だけでした。そのため「2号は建設業の制度」というイメージを持っている方も少なくありません。

しかし2023年6月の閣議決定によって対象分野が大きく拡大され、現在は11分野で特定技能2号の受け入れが可能になっています。外食業や農業、宿泊なども対象に加わったので、以前の情報のままだと現状とズレてしまうんですね。

一方で、特定技能1号の対象は16分野。この差の5分野(介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業)は、現時点では2号の対象外として整理されています。

なお2027年4月1日からは、特定技能1号にリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が追加され、対象は19分野に拡大されます。2号での取扱いについては、各分野の運用方針で順次示されるため、最新情報を確認しておきましょう。

具体的な11分野の内訳は後ほど一覧で紹介しますので、そちらもあわせてチェックしてみてくださいね!

特定技能1号と2号の違いを5つのポイントで比較

ここが一番気になるという方も多いと思いますので、特定技能1号と2号の違いを整理しておきましょう。

まずは全体を表と図解で比較してみます。

項目特定技能1号特定技能2号
技能水準相当程度の知識または経験を必要とする技能熟練した技能
在留期間通算5年が上限更新の上限なし
日本語要件試験等での確認が必要原則不要(一部分野を除く)
家族帯同原則認められない要件を満たせば可能(配偶者・子)
支援義務支援計画の作成・実施が必要対象外
対象分野16分野11分野

こうして並べてみると、2号のほうが待遇面で優遇されているのが分かりますね。以下、特に押さえておきたい3点を補足します。

ポイント①:在留期間の更新に上限がない

特定技能1号は、どれだけ現場で活躍していても通算5年で在留期間の上限を迎えてしまいます。一方の2号は、3年・1年・6か月ごとの更新となるものの、更新回数に上限が設けられていません。

ただし「更新できる」ことと「無期限で在留できる」ことは別物です。更新のたびに審査があるという点は押さえておきましょう。

ポイント②:要件を満たせば家族帯同ができる

特定技能1号では、家族を帯同することは原則として認められていません。そのため、母国に配偶者やお子さんを残して働いている方も多いのが現状です。

これが2号になると、要件を満たすことで配偶者と子どもを日本に呼び寄せられるようになります。本人にとっては非常に大きなメリットですし、企業側から見ても「長く働き続けてもらえる理由になる」という意味で見逃せないポイントですね。

ポイント③:受入れ機関による支援計画が不要になる

特定技能1号を受け入れる企業は、生活オリエンテーションや日本語学習の機会提供といった支援計画の作成・実施が義務づけられています。登録支援機関に委託しているケースも多いですよね。

2号ではこの支援が対象外となるため、企業側の負担は軽くなります。とはいえ、在留期間の管理や更新手続きのサポートまで不要になるわけではないので、「2号だから何もしなくていい」と考えるのは避けたいところです。

特定技能2号になるための条件は大きく2つ

それでは本題の、特定技能2号を取得するための条件を見ていきましょう。

分野によって細かい要件は異なりますが、共通しているのは「試験の合格」と「実務経験」の2つです。どちらか一方だけでは要件を満たせないという点が、まず押さえておきたいポイントになります。

条件①:分野別の評価試験または技能検定1級に合格する

1つ目の条件は、各分野で実施されている「特定技能2号評価試験」に合格することです。

試験は分野ごとに実施団体も内容もバラバラで、共通試験のようなものは存在しません。たとえば外食業なら学科と実技の2科目をCBT方式で受験し、250点満点中163点以上(正答率65%以上)で合格といった具合に、合格基準も分野によって設定されています。

また、分野によっては技能検定1級などの国家資格でも代替できるルートが用意されています。建設分野や造船・舶用工業分野が代表例ですね。工業製品製造業のように、「ビジネス・キャリア検定3級+製造分野特定技能2号評価試験」または「技能検定1級」という、複数ルートから選べる分野もあります。

条件②:指導・管理者としての実務経験を積む

2つ目が実務経験です。ここが特定技能2号の一番のハードルと言ってもいいかもしれません。

求められるのは、単に「その分野で何年か働いた」という経験ではなく、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理した経験です。役職でいえば班長、ライン長、副店長、サブマネージャーといったポジションがイメージされています。

必要な年数は分野によって異なり、多くの分野で2年以上、工業製品製造業や自動車整備のように3年以上を求める分野もあります。なお農業分野のように、管理者経験がなくても現場での実務経験3年以上であれば受験できるケースもあるので、自分の分野の要件を必ず確認しておきましょう。

この実務経験は、企業が発行する実務経験証明書で証明する必要があります。つまり、本人の努力だけで完結しない条件だということです。

分野によっては日本語能力試験N3以上も必要

特定技能2号では、原則として日本語能力試験の合格は要件に含まれていません。1号との大きな違いのひとつです。

ただし、外食業と漁業ではJLPT N3以上の取得が要件とされています。「2号は日本語試験が不要」と覚えてしまうと危ないので、ここは注意しておきたいところです。

また、要件に含まれない分野でも、試験そのものは日本語で実施されます。しかも1号の試験と違って漢字にルビが振られないケースがほとんど。ビルクリーニングのように記述式の試験もあるので、結局のところ一定の日本語力は必要になると考えておいたほうが安心ですね。

特定技能2号の対象分野11業種一覧【2号の対象外分野も解説】

続いて、特定技能2号の対象となる分野を確認していきましょう。

現在、特定技能2号を取得できるのは以下の11分野です。

分野主な業務のイメージ
ビルクリーニング建築物内部の清掃現場の指導・管理
工業製品製造業製造工程の作業指導と工程管理
建設土木・建築・ライフライン設備の工程管理
造船・舶用工業船舶や舶用機械の製造工程の指揮・管理
自動車整備点検整備業務と他の整備士への指導
航空グランドハンドリング・航空機整備の工程管理
宿泊フロント、接客、レストランサービスの指導
農業栽培・飼養管理と農場管理などの管理業務
漁業漁労作業・養殖管理と作業員の指導
飲食料品製造業製造工程の衛生・品質・従業員管理
外食業調理・接客・店舗管理および店舗経営

改めて眺めてみると、どの分野も「自分が作業する」だけでなく「人を動かす」業務が中心になっているのが分かりますね。特定技能2号が現場のリーダー層を想定した在留資格だということが、業務内容からも読み取れます。

なお「工業製品製造業」は、以前は「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」という名称でした。検索していると古い名称の記事も出てくるので、混乱しないよう覚えておくと安心です。

介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業は2号の対象外

一方で、特定技能1号の対象16分野のうち、次の5分野は現時点で特定技能2号の対象になっていません。

  • 介護
  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 林業
  • 木材産業

このうち介護については、特定技能1号からステップアップできる在留資格「介護」が別に設けられているため、2号の枠組みには含まれていないという整理です。制度から外されているわけではなく、別ルートが用意されていると考えると分かりやすいです。

残る自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野は、2024年3月の閣議決定で特定技能1号に追加されたばかりの新しい分野です。まずは1号からのスタートとなっているため、2号での受け入れはできません。

このあたりは制度改正のタイミングによって変わる可能性があります。特に2027年4月1日には、技能実習制度が育成就労制度へ移行するのにあわせて特定技能の対象分野も19分野に拡大されるため、実際に受け入れを検討する際は出入国在留管理庁の最新情報を確認するようにしてくださいね。

【分野別】特定技能2号の条件・試験・実務経験まとめ

ここまで共通の条件を見てきましたが、実際に必要なのは「自分の分野ではどうなのか」という情報ですよね。

そこで、11分野それぞれの試験と実務経験の要件を一覧にまとめました。

分野試験必要な実務経験日本語要件
外食業外食業特定技能2号評価試験2年以上(店舗管理の補助)JLPT N3以上
飲食料品製造業飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験2年以上(工程管理)なし
工業製品製造業ビジキャリ検定3級+製造分野2号評価試験、または技能検定1級3年以上なし
建設建設分野特定技能2号評価試験、または技能検定1級0.5〜3年(区分により異なる)なし
造船・舶用工業造船・舶用工業分野特定技能2号試験と技能検定1級2年以上(監督者として)なし
ビルクリーニングビルクリーニング分野2号評価試験、または技能検定1級2年以上(現場管理)なし
農業2号農業技能測定試験(耕種・畜産)2年以上(工程管理)または3年以上なし
漁業2号漁業技能測定試験2年以上JLPT N3以上
宿泊宿泊分野特定技能2号評価試験2年以上なし
自動車整備自動車整備分野2号評価試験、または自動車整備士技能検定2級3年以上(検定2級ルートは不問)なし
航空航空分野特定技能2号評価試験 ※未実施区分により異なる(整備は3年以上)なし

こうして並べてみると、「実務経験2年以上」が最も多いパターンだと分かりますね。以下、特に押さえておきたい分野の特徴を補足していきます。

外食業・飲食料品製造業は経過措置に注目

この2分野は、実務経験について経過措置が設けられている点が特徴です。

2023年6月10日の時点で在留期限まで2年6か月未満しか残っていない場合、残りの期間から6か月を差し引いた期間の実務経験でも申請できるという救済措置ですね。要件が決まる前の期間は準備のしようがなかったため、こうしたフォローが用意されています。

さらに、試験に不合格だった場合でも、一定の条件を満たせば通算在留期間の延長措置(最長1年)を受けられる仕組みもあります。「あと一歩で不合格だった」という方は、確認しておく価値がありますね。

建設・工業製品製造業は複数ルートがある

建設分野と工業製品製造業は、評価試験のほかに技能検定1級というルートが用意されています。すでに技能検定を取得している方なら、そちらから2号を目指すことも可能です。

また建設分野は、必要な実務経験が0.5〜3年と区分ごとに細かく設定されているのが特徴。ひとくくりに「2年以上」と考えず、個別に確認するようにしましょう。

農業・自動車整備は少し要件が異なる

農業分野は、管理者としての経験がなくても現場での実務経験3年以上があれば受験できるという、やや柔軟な設計になっています。

自動車整備は、自動車整備士技能検定2級を取得しているルートであれば実務経験が問われません。すでに国家資格を持っている方にとっては、大きなアドバンテージになりますね。

なお航空分野については、2号の試験がまだ実施されていません。

要件そのものは公表されているものの、実際に取得できる段階には至っていないため、この点は注意が必要です。

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特定技能2号の試験を受けるときの注意点

条件が分かったところで、実際に試験を受けるとなったときに「知らなかった…」となりやすいポイントも押さえておきましょう。

ここは意外と情報が少ない部分なので、受験を考えている方も、企業のご担当者様もぜひ目を通してみてください。

注意点①:申込みは企業経由となる分野が多い

まず知っておきたいのが、特定技能2号の試験は、外国人本人だけでは申し込めない分野が多いという点です。

たとえば外食業の場合、企業がマイページを登録したうえで受験者登録をする必要があり、個人マイページだけでは申し込みができません。これは、要件である実務経験を証明する書類を企業が提出しなければならないためです。

農業やビルクリーニングのように個人でも申し込める分野もありますが、その場合でも実務経験の証明にはどこかで企業の協力が必要になります。つまり、受験の入り口から企業の関与が前提になっているということですね。

「試験を受けたいのに、会社に言い出せていない」という状態だと、そもそもスタートラインに立てません。2号を目指すなら、早い段階で上司や担当者に相談しておくことが大切です。

注意点②:受験料は1万円台が中心で再受験にも期間の制限がある

受験料は分野によって幅がありますが、1万円台が中心です。外食業が14,000円、飲食料品製造業や農業、宿泊が15,000円、ビルクリーニングが16,500円といった水準ですね。一方で建設は2,000円と低めで、造船・舶用工業の溶接は数万円規模と、かなりばらつきがあります。

さらに、合格証明書の交付手数料が別途かかる分野もあるため、トータルの費用は事前に確認しておきたいところです。

そして見落としがちなのが再受験の制限。

外食業では、試験日の翌日から数えて45日間を空けないと再受験できません。

「落ちたらすぐ受け直そう」と考えていると、在留期限との兼ね合いで間に合わなくなる可能性もあります。

注意点③:実務経験の証明書は前職の企業に依頼が必要なケースも

転職を経験している方が特に注意したいのが、実務経験証明書の取得です。

必要な年数を満たすために前職の期間も合算しなければならない場合、前職の企業にも証明書の発行を依頼する必要があります。円満に退職していれば問題ないことがほとんどですが、そうでない場合は連絡を取ること自体が難しくなってしまいますよね。

企業側の視点で言えば、退職した外国人材から証明書の交付依頼が届くこともあります。記入にそれほど手間はかからないので、できるだけ対応してあげたいところです。実際、製造業を管轄する経済産業省の告示では、かつて雇用していた外国人からの依頼にも交付するよう定められています。

特定技能2号は家族帯同できる?対象になる範囲

特定技能2号の大きなメリットとしてよく挙げられるのが、家族帯同ができるようになる点です。ここを目当てに2号を目指す方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、特定技能2号では、要件を満たすことで配偶者と子どもを日本に呼び寄せることができます。

対象になるのは配偶者と子ども

帯同が認められるのは、配偶者と子どもです。家族であれば誰でも呼べるわけではなく、両親や兄弟姉妹は対象に含まれていません。ここは誤解されやすいポイントなので、しっかり押さえておきたいところです。

呼び寄せた家族は「家族滞在」という在留資格で日本に在留することになります。手続きとしては、海外にいる家族を呼ぶ場合は在留資格認定証明書の交付申請を行う流れですね。

なお、家族滞在の在留資格では就労が原則認められていません。働きたい場合は資格外活動許可を得る必要があり、その場合も週28時間以内という上限があります。「家族も一緒に働けるようになる」と考えていると認識がズレてしまうので、注意しておきましょう。

※週28時間以内の上限については、下記記事で詳しく解説しています!

特定技能1号との一番大きな違いと言えるポイント

一方の特定技能1号では、家族帯同は原則として認められていません。そのため、母国に配偶者やお子さんを残したまま日本で働いている方が多いのが実情です。

離れて暮らす期間が長くなるほど、本人にとっての負担は大きくなりますよね。「家族と一緒に暮らせるかどうか」は、日本で働き続けるかを判断するうえで非常に重い要素になります。

企業側の視点で見ても、この違いは無視できません。特定技能2号への道筋を示せる企業かどうかが、採用や定着を左右する要因になり得るということです。実際、2号の対象分野が拡大して以降、2号取得を目指す外国人材は増えてきています。

家族帯同が可能になるからこそ、長く働き続けてもらえる。そう考えると、2号は本人だけでなく企業にとってもメリットの大きい在留資格だと言えますね。

特定技能2号を取得すると永住権はどうなる?

「特定技能2号を取れば永住できる」という話を目にしたことがある方もいるかもしれません。ここは誤解が生まれやすい部分なので、丁寧に整理しておきましょう。

先に結論をお伝えすると、特定技能2号を取得したからといって、自動的に永住許可が下りるわけではありません。特定技能2号と永住は、あくまで別の制度です。

永住許可には別途の要件がある

永住許可を得るには、出入国在留管理庁が定める要件を満たしたうえで、改めて申請と審査を受ける必要があります。主に見られるのは次のような点です。

  • 素行が善良であること(法令を守り、社会的に非難されない生活を送っているか)
  • 独立した生計を営む能力があること(安定した収入や資産があるか)
  • 国益に適合すること(一定期間以上の在留、納税や年金・健康保険の履行状況など)

つまり、在留年数さえ満たせば認められるという単純なものではないんです。税金や社会保険をきちんと納めているかといった日々の積み重ねも、しっかり審査の対象になります。

「更新できる」ことが永住につながる可能性はある

一方で、特定技能2号が永住とまったく無関係かというと、そうではありません。

特定技能1号は通算5年で在留期間の上限を迎えるため、そこで一度日本を離れることになります。これに対して2号は更新の上限がないので、日本に在留し続けることが可能です。

永住許可の要件には在留年数に関する項目が含まれているため、長く日本で暮らし続けられること自体が、将来的に永住を目指すうえでの土台になり得ます。この意味で、特定技能2号は永住への「可能性が開ける」在留資格と表現するのが正確ですね。

ただし繰り返しになりますが、これはあくまで可能性の話です。「2号=永住」ではないという前提は、受け入れる企業側もしっかり共有しておきたいところ。本人が誤解したまま計画を立ててしまうと、後々のトラブルにつながりかねません。

制度の運用は今後変更される可能性もあるため、実際に永住申請を検討する段階では、出入国在留管理庁の最新情報を確認するか、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

特定技能2号の取得を目指すうえで気をつけたいこと

最後に、特定技能2号を目指すうえで実際につまずきやすいポイントを整理しておきます。

条件そのものは分かっても、「気づいたときには間に合わなかった」というケースが起こりやすいのが2号の難しいところ。本人はもちろん、企業のご担当者様にも知っておいていただきたい内容です。

在留期限までに実務経験の要件を満たせるか逆算する

一番注意したいのが、時間の逆算です。

特定技能1号の在留期間は通算5年が上限。そして2号の要件には、多くの分野で2年以上の指導・管理経験が求められます。ということは、遅くとも3年目までには班長や副店長といったポジションに就いていないと、期限までに要件を満たせない計算になりますよね。

さらに注意が必要なのが、途中で分野や区分を変えて転職したケースです。在留期間が3年を超えてから別分野に移ると、そこから2年の経験を積む時間が残っていない、ということも起こり得ます。

「2号を目指したいけれど、もう間に合わないかもしれない。」

そうならないためには、1号で働き始めた早い段階からキャリアプランを描いておくことが欠かせません。企業側も、本人の希望を早めにヒアリングしておきたいですね。

なお2027年4月1日からは、技能実習制度に代わって育成就労制度が始まります。育成就労では3年間の就労を経て特定技能1号へ移行する流れが前提になっているため、今後は「育成就労3年 → 特定技能1号5年 → 特定技能2号」というキャリアパスが基本形になっていきます。

ただし、育成就労から特定技能1号へ移行するには試験の合格が必要です。技能実習のような免除ルートはなくなるため、企業側は早い段階から学習支援と受験計画を組んでおく必要があります。

受入れ企業側のサポート体制も重要になる

特定技能2号は、本人の努力だけでは取得できない在留資格です。

すでに触れたとおり、試験の申込みや実務経験の証明には企業の関与が必要になります。加えて、要件を満たせるポジションに就かせられるかどうかも企業次第という側面がありますよね。指導役を任せる機会がなければ、そもそも実務経験を積めません。

裏を返せば、「2号を目指せる会社かどうか」が、特定技能外国人にとっての企業選びの基準になりつつあるということです。長く働ける環境を用意できる企業に人材が集まる、という流れは今後さらに強まっていくと考えられます。

具体的には、次のような準備を進めておくと安心です。

  • 本人が2号を目指したいかを早い段階で確認する
  • 自社の分野の2号要件と試験スケジュールを把握しておく
  • 指導・管理を任せられるポジションを計画的に用意する
  • 退職者からの実務経験証明書の依頼にも対応する体制を整える

制度は今後も変わっていく可能性があります。最新情報を追いながら、本人と企業が二人三脚で準備を進めていくことが、2号取得への一番の近道になりそうですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、特定技能2号の条件を中心に、1号との違いや対象分野、試験内容、家族帯同や永住との関係まで解説してきました。

今回の重要なポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 特定技能2号は「熟練した技能」を持つ人材向けの在留資格で、現場のリーダーとして働ける水準が求められる
  • 取得条件は「分野別の評価試験(または技能検定1級など)への合格」と「指導・管理者としての実務経験」の2つ
  • 必要な実務経験は多くの分野で2年以上、工業製品製造業や自動車整備などは3年以上
  • 外食業と漁業では、JLPT N3以上の日本語能力も要件に含まれる
  • 対象分野は2023年の制度改正で2分野から11分野に拡大。介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業は対象外
  • 特定技能1号と違い、在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば配偶者・子の帯同も可能
  • ただし「無期限で在留できる」「自動的に永住できる」という制度ではない
  • 試験の申込みや実務経験の証明には企業の協力が不可欠
  • 2027年4月からは育成就労制度が始まり、特定技能1号の対象も19分野に拡大される

こうして整理してみると、特定技能2号は本人の努力と企業のサポート、その両方がそろって初めて取得できる在留資格だということが見えてきますよね。

なお制度の運用は今後も変更される可能性があります。実際に申請を検討する際は、出入国在留管理庁や各分野の試験実施団体が公表している最新情報を必ず確認するようにしてください。

この記事が、特定技能2号を目指す方や、受け入れを検討している企業のご担当者様のお役に立てば嬉しいです!