外国人スタッフを採用したとき、日本人の採用にはない手続きがいくつかあります。その代表格が「外国人雇用状況の届出」です。
ただ、いざ書こうとすると意外とつまずくポイントが多いんですよね。
- 様式が2種類あるけど、うちはどっちを使えばいいの?
- 在留資格の欄って、在留カードをそのまま写せばいいの?
- 提出期限を過ぎてしまったかもしれない…!
といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、外国人雇用状況届出書の書き方を①〜⑧欄までひとつずつ、記入例つきで解説していきます!あわせて、提出期限・提出先・電子申請のやり方、そして2026年6月に変わった在留カードの券面と2027年4月から切り替わる新様式についても触れていきますね。
この記事を上から順に読んでいけば、そのまま1枚書き上げられる構成にしています。ぜひ手元に在留カードと様式を用意して、一緒に進めていきましょう。
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外国人雇用の制度は複雑で、調べても「自社の場合はどうなる?」と迷ってしまうことも多いですよね。外国人雇用協議会では、専門家が無料で疑問にお答えする質問窓口をご用意しています!
外国人雇用状況の届出とは?書き方の前に押さえたい基本
書き方に入る前に、まずは「そもそもどんな届出なのか」をサクッと確認しておきましょう。
ここを押さえておくと、様式選びで迷わなくなりますよ。
すべての事業主に課された義務
外国人雇用状況の届出は、労働施策総合推進法(第28条)にもとづく事業主の義務です。2007年から義務化されており、外国人を雇い入れたときだけでなく、離職したときにも届出が必要になります。
ポイントは、雇用形態を問わないということ。正社員でもパートでもアルバイトでも、1人雇えば1人分の届出が必要です。「短時間だから大丈夫かな?」という例外はありません。
そして、届出を怠ったり、事実と違う内容で届け出たりすると30万円以下の罰金の対象になります。うっかりでは済まされない手続きなんです。
何のために提出するの?
「なぜこんな届出が必要なの?」と思われるかもしれませんが、目的は大きく4つあります。
- 外国人の在留資格や経験に合った雇用管理ができているか、国が把握するため
- ハローワークが事業主に対して、雇用環境の改善に向けた助言・指導を行うため
- 離職した外国人に、再就職支援や職業訓練の機会を届けるため
- 不法就労を未然に防ぐため
取り締まりのための制度、というより外国人と企業の両方を守るための仕組みだと考えるとイメージしやすいですね。
対象になる人・ならない人
対象になるのは、日本で働くほぼすべての外国人です。逆に、届出が不要なのは次の3パターンだけと覚えておけばOKです。

特に間違えやすいのが「永住者」と「特別永住者」。名前は似ていますが、届出が必要なのは「永住者」のほうです。特別永住者は対象外なので、ここは混同しないよう気をつけましょう。
なお、帰化して日本国籍を取得された方は、そもそも「外国人」に当たらないため届出は不要です。
では次に、自社がどちらの様式を使うのかを確認していきましょう!
【早見表】自社が使うのはどっちの様式?提出期限もまとめて確認
外国人雇用状況の届出でいちばん最初につまずくのが、「様式が2種類あって、どっちを使えばいいのか分からない」というところ。

判断の基準はシンプルで、その外国人が雇用保険に加入するかどうか、これだけです。まずは全体像を表で確認しましょう。
雇用保険に加入する場合|様式第2号・様式第4号
雇用保険に加入する外国人については、専用の届出書を用意する必要はありません。
雇入れのときは「雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)」、離職のときは「雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)」を提出すれば、それがそのまま外国人雇用状況の届出を兼ねてくれます。
ただし、提出期限が短いので要注意です。雇入れは翌月10日まで、離職にいたっては翌日から起算して10日以内。うっかりしていると、あっという間に過ぎてしまいます。
雇用保険に加入しない場合|様式第3号
週の所定労働時間が20時間未満だったり、31日以上の雇用見込みがなかったりして雇用保険に加入しない場合は、「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」を使います。
留学生アルバイトや短期のパートさんが、まさにこのパターンですね。期限は雇入れ・離職ともに翌月末日までと、少しだけ余裕があります。
国・地方公共団体は「通知書」を使い、期限も違う
ここ、意外と知られていないのですが、国や地方公共団体は民間企業とルールが異なります。
雇用保険に加入しない場合に使うのは様式第3号ではなく「外国人雇用状況通知書」。しかも期限は翌月末日ではなく、雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内です。
なお、独立行政法人・国立大学法人・公社なども届出の対象になります。「民間じゃないから対象外かな?」と思われがちですが、しっかり必要ですので気をつけてくださいね。
派遣・請負・技能実習生は誰が届け出る?
「うちで働いているけど、雇っているのはうちじゃない」というケースもありますよね。届出の義務を負うのは、あくまで雇用契約を結んでいる側です。
- 派遣社員:派遣元が届出(派遣先は不要)
- 請負:請負元が届出
- 技能実習生:受け入れている企業(実習実施者)が届出
派遣・請負の場合は、様式第3号の事業所欄にチェックボックスがありますので、そちらも忘れずに。詳しくは記入例のところで解説しますね。
書く前の準備|在留カードで確認する項目と2026年6月の券面変更
いきなり書き始める前に、手元に揃えておきたいものがあります。届出書に書く内容は、すべて在留カードなどの原本で確認するのがルールだからです。
記憶や履歴書の記載を頼りに書いてしまうと、スペルミスや在留資格の取り違えが起こりがち。虚偽の届出とみなされるリスクもあるので、必ず現物を見ながら進めましょう。
用意するもの
基本は在留カード1枚あればOKですが、ケースによって追加が必要です。
- 在留カード(中長期在留者の場合)
- パスポート(在留カードを持っていない方の場合)
- 指定書(在留資格が「特定技能」「特定活動」の場合)
- 資格外活動許可書(在留カードで許可が確認できない場合)
在留カードを持っていない方については、パスポートのほか、在留資格証明書・資格外活動許可書・監理措置決定通知書・仮滞在許可書などで確認します。
なお「特定技能」と「特定活動」の方は、在留カードだけでは書ききれません。 指定書に書かれた分野や活動類型まで記入する必要があるので、必ず一緒に見せてもらってくださいね。
在留カードのどこを見る?
届出書に転記する項目と、在留カード上の位置を整理しました。

ポイントは、資格外活動許可だけが裏面にあるということ。表面ばかり見ていて見落とすケースが多いので、必ずカードを裏返して確認しましょう。
2026年6月14日以降の交付分は券面が変わった
ここ、実はとても大事なポイントです。
2026年6月14日に交付された分から、在留カードの券面レイアウトが変更されています。 記載されている項目自体が減るわけではありませんが、どこに何が書かれているかの位置が変わるため、古い見本のイメージのまま確認していると戸惑うかもしれません。
社内マニュアルや新人向けの手順書を作っている企業さんは、この機会に見本画像を最新版に差し替えておくのがおすすめです。厚生労働省のパンフレット「外国人雇用は ルールを守って適正に」の令和8年6月版に、新しい券面の案内が掲載されています。
「読取アプリ」で偽変造をチェックする

もうひとつ、ぜひ取り入れていただきたいのが在留カード等読取アプリケーションです。
出入国在留管理庁が無料で提供しているアプリで、スマホのNFC機能を使って在留カードのICチップを読み取れます。読み取った情報と券面の記載を見比べることで、偽造や改ざんがないかを確認できる仕組みです。
実は2026年の外国人雇用管理指針の見直しでも、このアプリの活用が推奨されています。特別な知識がなくても使えますので、採用フローに組み込んでおくと安心ですよ。
在留カードの写しの添付は不要
最後にひとつ、よくある誤解を解いておきますね。
届出の際に、在留カードのコピーを添付する必要はありません。 提示を受けて内容を確認すればそれで足ります。
ただ、社会保険の手続きなど他の場面で使うことも多いので、実務上はコピーを取っておく企業が大半かと思います。その場合は個人情報にあたりますので、何に使うのかを本人に伝えたうえで、保管ルールを決めて管理するようにしましょう。
【記入例つき】様式第3号の書き方|①〜⑧欄をひとつずつ解説
お待たせしました。ここからは実際の記入手順です。厚生労働省のサイトからダウンロードした様式第3号を用意して、上から順に埋めていきましょう。
印刷するときの注意がひとつ。 様式第3号は1ページ目が記入面、2ページ目が注意書きになっています。必ず1枚の紙の表と裏に印刷してください。 別々の紙に印刷したものは受け付けてもらえません。
また、この様式は届出対象の外国人1人につき1枚使います。複数人まとめて書くことはできませんので、人数分をコピーしておきましょう。
タイトルの「雇入れ」「離職」どちらかを消す
用紙のいちばん上を見ると、「雇入れ/離職 に係る外国人雇用状況届出書」と書かれています。

- 雇入れの届出 → 「離職」の文字を二重線で消す
- 離職の届出 → 「雇入れ」の文字を二重線で消す
- 雇入れと離職の両方をまとめて届け出る → どちらも消さない
意外と見落としがちな最初の一歩です。ここを消し忘れると、どちらの届出なのか分からなくなってしまいます。
①外国人の氏名

在留カードの表記どおりに、ローマ字で記入します。上段のフリガナ欄にはカタカナでふりがなを入れましょう。
ここでの注意点は2つ。
通称名ではなく本名を書くこと。 職場で日本語の通称を使っている方もいますが、届出では在留カードの表記が正解です。
ミドルネームは、氏と名の後ろに記入すること。 記入欄の並び順に迷いやすい部分なので、覚えておいてくださいね。
②在留資格/③在留期間

在留カードの「在留資格」欄をそのまま書き写します。ただし、2つだけ例外があります。

「特定技能」と「特定活動」の方は、在留カードの表記だけでは不十分です。指定書で確認した内容を、括弧書きで添える必要があります。
- 特定技能 → 指定された特定産業分野を追記(例:特定技能1号(介護))
- 特定活動 → 指定された活動内容を追記(例:特定活動(ワーキングホリデー))
なお、監理措置の決定を受けている方は「被監理者」、仮滞在許可を受けている方は「仮滞在許可者」と記入します。この場合は在留期間と在留カード番号の記入は不要です。
③には在留カードに記載された在留期間の満了日を記入します。西暦で書くのがルールです。
※どの分野・活動類型を書けばいいかは、指定書で確認します。書き写す名称そのものが決まっていますので、迷ったときは以下の記事もあわせてご覧ください。
※「特定技能」と「特定活動」の方は、在留カードだけでは書ききれません。指定書に書かれた分野や活動類型まで記入する必要があるので、必ず一緒に見せてもらってくださいね。指定書ってどこを見ればいいの?という方は、こちらの記事で見方を画像つきで解説しています。
④生年月日/⑤性別

④には生年月日を記入します。
こちらも西暦で書くのがルールです。つい和暦で書いてしまいがちなので、ここは意識しておきましょう。
⑤は該当する番号を○で囲みます(記入ではありません)。
⑥国籍・地域/⑦資格外活動許可の有無

⑥は在留カードの国籍・地域欄をそのまま書き写せばOKです。
⑦には、在留カードの裏面にある資格外活動許可欄を確認し、「有」「無」のどちらかを○で囲みます。
この欄が関係してくるのは、「留学」や「家族滞在」など、そのままでは働けない在留資格の方を雇う場合です。許可を受けていない状態で働かせてしまうと不法就労になりますので、必ず現物を確認してください。
なお、資格外活動許可には就労時間の上限(原則として週28時間以内)が定められています。届出後の労務管理でも重要になる部分なので、あわせて把握しておきましょう。
離職の届出として使う場合は、この⑦欄の記入は不要です。
※「夏休み中はどうなるの?」「複数のバイトを掛け持ちしている場合は?」など、計算がややこしくなりがちなポイントは、こちらの記事で整理しています。
⑧在留カードの番号

在留カードの右上に記載されている番号を記入します。桁の構成は「英字2桁+数字8桁+英字2桁」の計12桁です。
書き写しミスが起こりやすい欄なので、記入後にもう一度見比べる習慣をつけると安心ですよ。
雇入れ年月日・離職年月日

用紙の中ほどに日付欄があります。雇入れの届出なら雇入れ年月日を、離職の届出なら離職年月日を西暦で記入しましょう。
同じ方について雇入れと離職が複数回発生している場合は、それぞれの日付を並べて記入できます。
事業所欄の書き分け

ここも迷いやすいポイントです。欄が2つあるのは、「実際に働く場所」と「会社の本体」を分けて把握するためです。
- 雇入れ又は離職に係る事業所:外国人が実際に勤務する支店・店舗・工場など。雇用保険適用事業所番号もここに記入
- 主たる事務所:法人の場合の本社。上記と異なる場合に記入
また、その方が派遣労働者・請負労働者として主に他の事業所で働く場合は、チェックボックスへのチェックを忘れずに。 見落としが多い箇所です。
最後に、事業主(法人なら代表者)の氏名を記入します。現行の様式に押印欄はありませんので、ハンコは不要です。 古い解説記事には「押印を忘れずに」と書かれているものもありますが、様式が変わっていますのでご安心ください。
雇用保険の資格取得届・喪失届で届け出る場合の書き方
外国人スタッフが雇用保険に加入する場合は、様式第3号を用意する必要はありません。
雇用保険の手続きで使う書類に、外国人ならではの項目を書き足すだけでOKなんです。実は多くの企業さんがこちらのパターンに当てはまります。

雇入れ時|雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)
雇入れのときは、資格取得届の「17」〜「23」欄に記入します。

- 17.被保険者氏名(ローマ字):在留カードのとおりに記入
- 23.在留資格:在留カードまたは上陸許可証印の記載どおりに。「特定技能」「特定活動」の場合は分野・活動類型まで記入します
この欄を埋めてハローワークに提出すれば、それで雇入れの届出をしたことになります。届出先は雇用保険の適用を受けている事業所を管轄するハローワーク、期限は雇い入れた日の翌月10日までです。
離職時|雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)
離職のときは、表面の「住所(被保険者の住所又は居所)」欄に加えて、裏面の「14」〜「19」欄に記入します。

- 14.被保険者氏名(ローマ字)
- 19.在留資格:取得届と同じ考え方で記入
こちらの期限は退職した日の翌日から10日以内。かなりタイトなので、退職の連絡を受けたらすぐ動き出せるようにしておきたいですね。
なお、離職の届出では資格外活動許可の有無は届出事項に含まれません(雇入れ時のみの項目です)。
意外と知られていない「備考欄」の使い方
資格取得届にも喪失届にも「備考」欄がありますが、ここには書くべきケースが決まっています。

- すでに様式第3号で届出を済ませている場合
- 在留資格の変更を申請中の場合
たとえば「様式第3号によって届出済」「在留資格変更申請中」といった形で記入します。
特に多いのが、アルバイトから正社員になったケース。最初は様式第3号で届け出ていた方が雇用保険に加入することになったら、資格取得届の備考欄にその旨を書き添えておきましょう。
様式第3号を重ねて出す必要はない
念のためもう一度。資格取得届・喪失届を出したら、様式第3号は不要です。
「念のため両方出しておこう」という二重提出の相談がハローワークに寄せられることもありますが、その必要はありません。また、雇用保険の被保険者については外国人雇用状況届出システムへの入力も不要です(電子申請する場合はe-Govを使います)。
ちなみに、社会保険労務士などの代理人が届け出ることもできますが、その場合はあらかじめ「代理人選任(解任)届」の提出が必要になります。詳しくは管轄のハローワークにご確認くださいね。
\ 外国人材の受け入れ、まるっとお任せしませんか? /
制度の確認から書類の準備、受け入れ後のフォローまで、外国人雇用には想像以上に多くの手続きが伴います。外国人雇用協議会では、そうした「困った」をワンストップでサポートしています。
提出方法は3パターン|窓口・郵送・電子申請
書き終わったら、あとは提出するだけ…なのですが、ここでもうひとつ落とし穴があります。
提出先のハローワークが、ケースによって違うんです。「近所のハローワークならどこでもいいでしょ」と持ち込んでしまうと、二度手間になりかねません。まずは全体像を確認しましょう。

①ハローワークの窓口に持参する
いちばん確実なのがこの方法です。その場で職員さんに内容を確認してもらえるので、記入ミスがあってもすぐ直せます。初めて届出をする方には、まずこの方法をおすすめします。
提出先は、上の図のとおり雇用保険に加入するかどうかで分かれます。
- 加入する場合:雇用保険の適用を受けている事業所を管轄するハローワーク
- 加入しない場合:その外国人が実際に勤務する事業所施設(支店・店舗・工場など)の住所を管轄するハローワーク
なお、派遣労働者の届出は、派遣先ではなく派遣元の事業所を管轄するハローワークに提出します。
②郵送する
窓口に行く時間が取れない場合は郵送も可能です。ただし、到着が期限を過ぎてしまうリスクがあるので、余裕を持って発送しましょう。
心配な方は簡易書留など記録が残る方法を選び、提出した書類のコピーを手元に残しておくと安心です。
③電子申請する
24時間いつでも提出できるのが電子申請のメリットです。使うシステムが2種類あるので、間違えないようにしましょう。
- 雇用保険に加入する人 → e-Gov
- 雇用保険に加入しない人 → 外国人雇用状況届出システム
外国人雇用状況届出システムは、複数人まとめて届出できるうえ、登録した情報をあとからインターネット上で確認・修正できるのが便利なところ。ハローワークインターネットサービスの「事業主の方へのサービス」からもアクセスできます。
なお、雇用保険に加入する人については、資格取得届・喪失届で届出したことになるため、外国人雇用状況届出システムへの入力は不要です。二重に登録しないよう気をつけてくださいね。
【落とし穴】紙で届け出たことがある企業は「切替申請書」が必要
ここが最大の注意点です。
外国人雇用状況届出システムのログイン画面には「ユーザID新規登録」というボタンがあります。ところが、これまでに一度でも届出用紙でハローワークに届け出たことがある事業主は、この画面からIDとパスワードを取得できません。
対象になるのは、様式第3号だけでなく資格取得届(様式第2号)・資格喪失届(様式第4号)で届け出たことがある場合も同じです。つまり、外国人を雇ったことのある企業の多くが当てはまります。
この場合は「外国人雇用状況届出に係る電子届出切替・変更申請書」を提出する必要があります。厚生労働省のサイトからダウンロードして、就業先事業所施設の住所を管轄するハローワークへ提出しましょう。メールアドレスを変更したいときも、同じ申請書を使います。
「新規登録ボタンを押しても先に進めない…!」と固まってしまう方が本当に多いポイントなので、先に知っておくとスムーズですよ。
社労士に任せることも可能
社会保険労務士が代理で届け出ることも可能です。
電子申請の場合、社労士もご自身でユーザIDを取得できます。その際は担当者氏名欄に「社会保険労務士 ○○○○」と名称を冠して記載するというルールがあるので、覚えておきましょう。
【2027年4月1日〜】様式第3号が新しくなる
最後にもうひとつ、押さえておきたい大事な情報があります。
実は厚生労働省のサイトには、いま使っている様式とは別に「令和9年4月1日からはこちらの様式を使ってください」という案内つきで、新しい様式第3号がすでに公開されています。
まだ先の話に思えるかもしれませんが、今から知っておくと慌てずに済みますよ。
育成就労制度のスタートに合わせた改正
なぜこのタイミングなのか。答えはシンプルで、2027年4月1日から育成就労制度が始まるからです。
技能実習制度が発展的に解消され、新しく「育成就労」の制度に切り替わります。外国人労働者の受け入れの枠組みそのものが変わるため、届出の様式もあわせて見直された、という流れですね。
実際、外国人雇用管理指針も2026年6月14日から段階的に改正されており、2027年4月1日にはさらに育成就労関係の内容が適用されることになっています。届出の様式変更は、その大きな流れの一部だと考えるとわかりやすいかなと思います。
※育成就労制度そのものについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
現行様式と新様式で変わるところ
公開されている新様式を確認したところ、用紙の基本構造は大きく変わっていません。

①〜⑧の欄の並びも、1人につき1枚というルールも、翌月末日という提出期限も据え置きです。「まったく別物になる」と身構える必要はなさそうですね。
一方で、裏面の注意書きには違いが見られます。 現行様式にある「特定技能なら特定産業分野を、特定活動なら活動類型を括弧書きで記入する」という説明が、新様式の注意書きには見当たりません。
②在留資格欄の書き方が変わる可能性がありますので、施行前に公表される運用要領などで最新の記載ルールを確認しておくと安心です。
なお、国・地方公共団体が使う「外国人雇用状況通知書」についても、同じく令和9年4月1日からの新様式が公開されています。
いつから新様式を使う?
切り替えの目安は2027年4月1日です。それまでは現行の様式(令和8年6月14日版)を使い続けて問題ありません。
とはいえ、社内でストックしている用紙が古いままだと、切り替え後にうっかり旧様式で提出してしまうということが起こりがちです。
- 印刷済みの用紙を大量に保管しない
- 社内マニュアルに「2027年4月に様式変更」とメモを残しておく
- 3月末に厚生労働省のページを再確認する
このあたりを今のうちに決めておくと、来年の春を落ち着いて迎えられますね。
※ちなみに、育成就労で外国人を受け入れる場合、企業側の費用負担がどのくらいになるのかも気になるところかと思います。こちらは別記事で内訳と相場をまとめていますので、受け入れをご検討中の方はあわせてどうぞ。
よくある記入ミスと、間違えた・出し遅れたときの対処法
記入と提出の流れが見えてきたところで、最後に「つまずきやすいポイント」をまとめておきます。
外国人雇用状況の届出は、未提出だけでなく虚偽の届出も罰則の対象です。悪意がなくても、確認不足による記載ミスは避けたいところ。提出前にサッと目を通してみてくださいね。
うっかりやりがちな記入ミス

図にまとめた6つが、特に起こりやすいミスです。補足しておきますね。
- 通称名で書いてしまう:職場では日本語の通称で呼んでいても、届出に書くのは在留カードどおりの本名です。ここは意識して切り替えましょう。
- 和暦で書いてしまう:在留期間や生年月日の欄は西暦指定です。普段和暦を使っている方ほどやりがちなので要注意。
- 裏面を見ずに提出する:資格外活動許可の欄は在留カードの裏面にあります。表面だけ確認して「無」に丸をしてしまうケースが意外と多いんです。
- 特定技能・特定活動の括弧書き漏れ:「特定技能1号」だけでは不十分で、分野まで書く必要があります。
- 印刷ミス:様式第3号は1枚の紙の表裏に印刷します。2枚に分けて印刷したものは受け付けてもらえません。
- チェックボックスの入れ忘れ:派遣・請負の場合は、事業所欄の□にチェックが必要です。
提出前のチェックには公式リストが便利
実は厚生労働省が「適正な届出のためのチェックリスト」というPDFを公開しています。
在留カードの確認から各欄の記入方法、期限内提出まで、確認すべき項目が11個ほどにまとまっているもので、ダウンロードして提出のたびに使えるようになっています。
「毎回同じところでミスしてしまう…」という担当者さんは、社内フォーマットに組み込んでしまうのがおすすめですよ。
提出後に間違いに気づいたら
まずは落ち着いて、管轄のハローワークに連絡しましょう。
届出内容に変更があった場合や、誤りに気づいた場合は、外国人雇用状況届出の担当窓口が対応してくれます。事業所の移転・統合・廃止、被保険者の転勤、在留資格の変更なども相談の対象です。
電子申請の場合も同じで、同一人物を誤って二重登録してしまったときはハローワークで対応してもらえます。 自分で消そうとせず、まず連絡するのが正解です。
提出期限を過ぎてしまったら
こちらも、気づいた時点ですぐに管轄のハローワークへ相談してください。
このとき絶対にやってはいけないのが、つじつまを合わせるために日付を偽って届け出ること。 虚偽の届出は30万円以下の罰金の対象になりますし、後々の手続きにも影響します。正直に事情を説明して、指示に従いましょう。
再発を防ぐには、雇用契約を結んだ時点で届出期限をカレンダーに入れてしまうのが確実です。雇用保険に加入する方は翌月10日、加入しない方は翌月末日。入社日が決まったらすぐ登録する習慣をつけておきたいですね。
外国人だと気づかなかった場合は?
「氏名や話し方から外国人だと分からず、確認も届出もしなかった」というケースもあるかもしれません。
この点について、厚生労働省は通常の注意力をもって外国人だと判断できる場合に確認を行えばよいという考え方を示しています。氏名や言語から判断できなかったケースであれば、それだけで法違反を問われることにはなりません。
とはいえ、外国人だと容易に判断できるのに届け出なかった場合は、指導・勧告に加えて罰金の対象です。入社手続きの中で確認するフローを作っておくのが安心ですね。
届出を怠るとどうなる?30万円以下の罰金と実務上のリスク
記事の中で何度か触れてきましたが、最後に罰則まわりを整理しておきます。
とはいえ、必要以上に不安になる必要はありません。手順どおりに確認して期限内に出せば済む話ですので、「こういうリスクがあるんだな」という程度に押さえておけば十分です。

未提出・虚偽の届出は30万円以下の罰金
労働施策総合推進法にもとづき、届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合は30万円以下の罰金の対象になります。
罰金の前段階として、指導や勧告の対象にもなります。いきなり罰金というより、まずは行政から改善を促されるイメージですね。
法人にも罰則が及ぶ「両罰規定」
見落としやすいのが、この点です。
外国人雇用状況の届出には両罰規定が置かれています。これは、実際に違反行為をした代表者や従業員が罰せられるだけでなく、その法人にも同じ罰金刑が科されるという仕組みです。
「担当者が知らなかった」では会社の責任が消えるわけではない、ということですね。だからこそ、特定の担当者だけに任せず、社内の手順として仕組み化しておくことが大切になります。
ちなみに、外国人を常時10人以上雇用する場合は「雇用労務責任者」の選任が必要です。人事課長などを選任すればよく、専任である必要はありませんし、ハローワークへの届出も不要とされています。該当する企業さんは、この機会に確認しておきましょう。
在留期限の見落としは、もっと重いリスクにつながる
実は、届出の罰金以上に気をつけたいのがこちらです。
届出のために在留カードを確認する作業には、その方が適法に働ける状態かどうかをチェックするという意味があります。在留期限が切れていたり、在留資格の範囲外の仕事をさせていたりすると、不法就労助長罪に問われる可能性が出てきます。
「知らなかった」「うっかりしていた」という場合でも責任を問われることがあるため、届出の手続きはリスクを防ぐチェック機能として捉えておくと安心です。
※不法就労助長罪の罰則や該当するケースについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
届出は「守るための制度」でもある
罰則の話が続きましたが、この制度は取り締まりのためだけにあるわけではありません。
ハローワークは届出をもとに、雇用環境の改善に向けた事業主への助言・指導を行っていますし、離職した外国人への再就職支援にもつなげています。外国人雇用管理アドバイザーへの無料相談という仕組みもあります。
きちんと届け出ることが、結果的に外国人スタッフと企業の双方を守ることにつながる。そんなふうに考えていただけたらうれしいです。
まとめ
外国人雇用状況届出書の書き方について、様式の選び方から欄ごとの記入方法、提出先、そして2027年4月の様式変更まで解説してきました。
日本人の採用にはない手続きなので最初は戸惑うかもしれませんが、「どちらの様式を使うか」さえ判断できれば、あとは在留カードを見ながら順に埋めていくだけです。
今回のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 外国人雇用状況の届出は、雇入れ時・離職時ともに全事業主の義務。届出が不要なのは特別永住者・在留資格「外交」「公用」の3パターンだけ
- 使う様式は雇用保険に加入するかどうかで決まる。加入するなら資格取得届・喪失届、加入しないなら様式第3号
- 提出期限は、雇用保険に加入する場合が雇入れ翌月10日・離職は翌日から10日以内、加入しない場合は雇入れ・離職とも翌月末日
- 記入内容はすべて在留カードなどの原本で確認する。特定技能・特定活動は指定書で分野・活動類型まで確認が必要
- 提出先のハローワークは、雇用保険に加入するかどうかで変わるので要注意
- 電子申請は、加入する人はe-Gov、加入しない人は外国人雇用状況届出システム。紙で届け出たことがある企業は切替申請書が必要
- 2027年4月1日から様式第3号が新しくなる。育成就労制度のスタートに合わせた改正で、新様式はすでに公開済み
- 未提出や虚偽の届出は30万円以下の罰金。両罰規定により法人も対象になる
届出そのものは、慣れてしまえば数分で終わる手続きです。それでも「うっかり出し忘れていた」というご相談は少なくありません。
採用が決まった時点で期限をカレンダーに登録する。 これだけでも、リスクはぐっと減らせますよ。
そして2027年4月には、育成就労制度のスタートとともに様式も切り替わります。外国人雇用のルールは今まさに変わっている最中ですので、社内の手順書を定期的に見直す習慣をつけておくと安心ですね。
この記事が、目の前の1枚を書き上げるお手伝いになれば嬉しいです!
※なお、外国人材の受け入れにあたっては、国の助成金を活用できるケースもあります。就労環境の整備に取り組む企業向けの制度が用意されていますので、こちらもチェックしてみてください。

