送り出し機関とは?役割や費用、監理団体との違いをわかりやすく解説

外国人材の採用を検討しはじめると、必ずと言っていいほど出てくるのが「送り出し機関」という言葉。

でも、いざ調べてみると、

  • 監理団体や登録支援機関と何が違うの?
  • そもそも絶対に使わないといけないもの?
  • 費用って結局いくらかかるの?

と、モヤモヤが増えていく…という担当者の方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、送り出し機関の役割や仕組み、監理団体・登録支援機関との違いを、はじめての方にもわかるように整理していきます。さらに、気になる手数料の相場感や、インドネシアをはじめとする国ごとの事情、2027年4月に施行される育成就労制度での扱いまで、まとめてご紹介しますね。

この記事を読み終わるころには、「自社はどう進めればいいか」がクリアになっているはずです!

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送り出し機関とは?

送り出し機関とは、海外で日本での就労を希望する人材を募集・選抜し、日本へ送り出す現地の機関のことです。

日本側からは見えにくい存在ですが、実は外国人材の採用において、かなり重要な役割を担っているんです。

イメージとしては「海外にある採用支援会社」に近い存在。ただし、単に人材を紹介するだけではありません。

  • 現地での募集・面接調整
  • 日本語や生活マナーの教育
  • 健康診断の実施
  • パスポート・ビザなどの手続きサポート
  • 出国前後のフォロー

このように、来日までの準備をまるごと引き受けてくれる、というのが実際のところです。

ここで少しややこしいのが、在留資格や制度によって送り出し機関の位置づけが変わるという点。「必ず使わなければいけない場合」と「そうでない場合」があるんですね。

順番に見ていきましょう!

技能実習制度での送り出し機関

技能実習制度における送出機関は、技能実習を希望する人からの求職申込みを、日本の監理団体へ適切に取り次ぐ機関と定められています。

技能実習には「団体監理型」と「企業単独型」の2つの受け入れ方式がありますが、このうち団体監理型では送り出し機関の利用が必須です。

法務省の資料によると実習生の98%以上が団体監理型とされているので、技能実習ではほぼ避けて通れない、と考えておくとよいですね。

また、送り出し機関になるには、現地の公的機関からの推薦を受けていることや、手数料の算出基準を明確に公表していること、実習生から保証金を徴収していないことなど、細かい要件が定められています。

つまり、誰でも自由に名乗れるものではない、ということです。

特定技能制度での送り出し機関

一方、特定技能制度では送り出し機関の利用が必須とは限りません。

日本国内にいる元技能実習生や留学生を、企業が直接採用するケースもあるためです。

ただし注意したいのが、国ごとのルール。日本と二国間協力覚書(MOC)を結んでいる国の中には、認定を受けた送り出し機関を通すことが義務づけられているところもあります。

たとえばベトナムやフィリピンなどがこれにあたり、逆にタイやネパールのように、送り出し機関の利用が任意とされている国もあるんです。

「特定技能だから不要」と決めつけず、採用したい国のルールを先に確認するのが安全ですね。

※なお、技能実習と特定技能は、制度の目的も在留期間も転職の可否も異なります。どちらの制度で採用するかによって送り出し機関の関わり方も変わってくるので、違いが曖昧な方は下記の記事もあわせてご覧ください。

ちなみに特定技能には1号と2号があり、2号では在留期間の更新に上限がなく、条件を満たせば家族の帯同も可能になります。長期的な受け入れを検討している場合は、こちらもチェックしてみてください。

育成就労制度ではどうなる?

技能実習制度に代わる新制度として、2027年4月1日から育成就労制度が施行されます。

この育成就労制度では、悪質な送出機関を排除するための取り組みが強化されており、原則として二国間取決めを作成した国からのみ受け入れるという方針が示されています。

現時点では、各国から「暫定送出機関リスト」が順次提出されている段階です。二国間取決めが正式に作成されたあとに、「認定送出機関リスト」として提出される流れになっています。

注意したいのは、暫定リストに載っていた機関が、必ずしも認定リストに残るとは限らないという点。

これから受け入れを検討する企業は、最新のリスト状況をこまめにチェックしておきたいところです!

送り出し機関の主な業務内容

ここからは、送り出し機関が実際にどんなことをしてくれるのかを見ていきましょう。

「人材を紹介してくれるところ」というイメージを持たれがちですが、実際の業務範囲はもっと広いんです。

現地での人材募集・選考

まず行うのが、日本での就労を希望する人材の募集です。

募集の方法は機関によってさまざまで、自社で直接集める場合もあれば、現地の派遣企業と提携して集めるケースもあります。

集まった候補者に対しては、面談や試験を通じて選考を実施。受け入れ企業が求める職種や条件に合う人材を絞り込み、企業との面接調整まで担当してくれます。

日本語教育・送り出し教育

送り出し機関の大きな特徴が、来日前の教育です。

日本語はもちろん、日本での生活習慣や職場のマナー、技能実習の目的や心構えまで、幅広く指導が行われます。

ただし、教育時間やカリキュラムは機関によってかなり差があるというのが正直なところ。ここは後ほど「選び方」でも詳しく触れますね。

健康診断・各種書類の手続き

意外と見落とされがちなのが、事務手続きのサポートです。

  • 健康診断の実施と結果の通知
  • パスポートの取得サポート
  • ビザ(査証)の申請
  • 現地政府(労働省など)への書類提出
  • 在留資格認定証明書の申請に必要な書類の準備・送付

このあたりを現地側でまとめて進めてくれるので、受け入れ企業や監理団体の負担もぐっと軽くなります。

出国・来日前後のサポート

出国前のオリエンテーションや、空港までの案内なども送り出し機関の役割です。

さらに、来日後も完全に手が離れるわけではありません。生活や仕事の悩みを聞いたり、トラブルが起きたときに現地側から対応したりと、滞在中の見守りを続けている機関もあります。

帰国後のフォロー

技能実習制度では、実習を修了して帰国した人に対して、就職のあっせんなど必要な支援を行うことが送出機関の要件のひとつとされています。

「送り出して終わり」ではなく、帰国後のキャリアまで見据えているかどうか。ここも機関の姿勢が表れるポイントですね!

送り出し教育とは?内容と重要性

「送り出し教育」。ここは受け入れ企業にとって、かなり重要なパートです。

送り出し教育とは、外国人材が日本へ渡航する前に、現地の施設で受ける事前教育のこと。日本語だけでなく、生活習慣や職場のルールまで含めて学びます。

「日本語さえ話せればなんとかなるでしょ」と思われがちなのですが、実際に現場でつまずくのは、言葉よりも生活面や文化面のギャップだったりするんですよね。

送り出し教育の目的

送り出し教育が行われる目的は、大きく分けて次の4つです。

  • 来日後のミスマッチを防ぐ
  • 職場や生活へスムーズに適応できるようにする
  • 生活習慣の違いによるトラブルを減らす
  • 労働災害のリスクを下げる

来日してから「聞いていた話と違う」となってしまうと、本人にとっても企業にとっても大きな痛手です。事前に日本での働き方や暮らしのイメージをすり合わせておくことが、その予防につながります。

主な教育内容

具体的にどんなことを学ぶのか、代表的な内容をまとめてみました。

教育項目主な内容
日本語教育日常会話、読み書き、敬語、職場で使う専門用語
生活指導ゴミの分別、交通ルール、公共マナー
マナー教育あいさつ、時間厳守、身だしなみ
安全教育作業時の安全衛生、機械の取り扱い、労災防止
文化教育日本の生活習慣、職場の考え方
就労教育業務内容の理解、報連相の基本

なお、技能実習制度では、制度の目的や心構えについての教育も行われます。

教育期間は数か月に及ぶこともあれば、ごく短期間で終わるケースもあり、機関ごとの差が大きい部分です。

教育の質が定着率を左右する理由

送り出し教育の質は、来日後の定着に直結すると言っても大げさではありません。

たとえば日本語教育が不十分なまま来日すると、

  • 業務の指示が正確に伝わらない
  • 職場でのコミュニケーションが取りづらい
  • 生活面での困りごとを相談できない

といった状態になりやすく、結果として孤立や早期離職につながってしまうことも。

反対に、事前教育がしっかりしている機関から迎え入れた人材は、受け入れ後の指導コストも抑えられる傾向があります。

だからこそ、送り出し機関を選ぶときは「どんな教育を、どのくらいの時間かけて行っているか」を必ず確認しておきたいところです!

送り出し機関と監理団体・登録支援機関の違い

外国人材の受け入れについて調べていると、「監理団体」「登録支援機関」といった言葉も一緒に出てきますよね。

名前が似ているうえに役割も重なる部分があるので、ここでつまずく方はとても多いです。

ざっくり整理すると、こうなります。

  • 送り出し機関……海外側で、来日前を担当
  • 監理団体……日本側で、技能実習を監理
  • 登録支援機関……日本側で、特定技能外国人を支援

「どこの国にあるか」と「どの制度に関わるか」。この2軸で見ると、一気に分かりやすくなりますよ!

監理団体との違い

監理団体は、日本国内にある非営利団体(事業協同組合や商工会など)です。技能実習制度の団体監理型において、実習生を受け入れて傘下の企業へ配属し、その後の実習が適正に行われているかを監査・指導します。

送り出し機関との一番の違いは、担当するタイミング。

送り出し機関が来日前の募集・教育を担うのに対し、監理団体は来日後の受け入れ体制づくりや監査が中心です。両者は契約を結び、連携しながら手続きを進めていきます。

なお、監理団体が監理費に該当しないお金を送り出し機関から受け取ること、いわゆるキックバックは法律で禁止されています。ここは制度上の重要な線引きなので、覚えておきたいポイントです。

そして、2027年4月1日に育成就労制度が施行されると、監理団体は「監理支援機関」へと変わります。名称の変更だけでなく、外部監査人の設置が義務化されるなど許可要件が厳格化されており、現在の監理団体も改めて許可を取り直す必要があります。

送り出し機関と連携する相手が変わるわけではありませんが、取引先の監理団体が許可を申請しているかどうかは、早めに確認しておきたいところです。

登録支援機関との違い

登録支援機関は、特定技能制度で登場する日本国内の機関です。

特定技能1号の外国人には支援計画に基づいたサポートが必要とされていますが、受け入れ企業が自社で対応しきれない場合、その業務を委託できるのが登録支援機関になります。

支援の中身は、生活オリエンテーションや住居の確保、日本語学習の機会提供、相談対応など。来日後の生活面のサポートが中心です。

つまり、送り出し機関が「来日前」、登録支援機関が「来日後」を担当するイメージですね。

図解で見る3つの機関の役割

言葉だけだと混乱しやすいので、それぞれの位置づけを一枚にまとめました。

制度が違えば関わる機関も変わります。自社がどの制度で採用するのかを先に決めておくと、必要な相手が自然と見えてきますよ。

送り出し機関にかかる費用・手数料の目安

送り出し機関を利用するにあたって、いちばん気になるのが費用面ですよね。

ここは「誰が」「何に対して」支払うのかを分けて考えると、整理しやすくなります。

監理団体・受け入れ企業が支払う費用

技能実習制度では、監理団体(または受け入れ企業)から送り出し機関へ、送出管理費といった名目で費用が発生します。

厚生労働省の委託事業として行われた調査では、技能実習生1人あたり(技能実習2号までの3年間の合計)で見たとき、10万円台の価格帯がもっとも多いという結果が出ています。全体の4割近くを占める水準です。

ただし国によって傾向は異なり、たとえばフィリピンでは5万円以下の割合が高い一方、30万円を超えるケースも一定数見られます。

一律の相場があるわけではない、と考えておくのが現実的ですね。

外国人本人が支払う費用

もうひとつ、必ず押さえておきたいのが外国人本人の負担額です。

出入国在留管理庁の実態調査によると、技能実習生が送り出し機関へ支払っている費用の総額は、平均でおよそ52万円。その内訳としては、派遣手数料が約27万円、事前教育費用が約7万円ほどを占めています。

国籍別に見ると差はかなり大きく、ベトナムやカンボジアでは平均が50万円を超える一方、フィリピンは10万円を下回る水準となっています。

ここで問題になりやすいのが、渡航した時点ですでに借金を抱えているというケース。

返済のプレッシャーが、失踪や早期離職の背景になっているとの指摘もあります。企業側としても他人事ではないので、本人がいくら負担しているのかは確認しておきたいところです。

なお育成就労制度では、外国人が送出機関に支払う手数料が不当に高額にならないための仕組みが導入されます。本人の負担が上限を超える分については、受入企業または監理支援機関が負担する形が想定されており、企業側のコスト構造も変わってきます。

「本人が借金を抱えて来日する」という構図を是正するための措置ですが、裏を返せば企業の負担は増える可能性があるということです。受け入れ計画を立てる際は、この点も織り込んでおきましょう。

特定技能の場合の相場感

特定技能では送り出し機関を使わないケースもありますが、利用する場合の人材紹介手数料は、1人あたり10万〜30万円程度が目安とされています。

これに加えて、現地での教育費用として10万〜60万円ほどがかかることもあります。

なお、技能実習制度では、送り出し機関は手数料の算出基準を明確に定めて公表し、本人に十分理解させることが要件とされています。

内訳をきちんと説明できない機関は、その時点で要注意と考えていいでしょう。

※ここまで費用面を見てきましたが、外国人材の受け入れでは、条件を満たすことで活用できる助成金もあります。コスト全体を把握したい方は、あわせて確認してみてくださいね。

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国ごとの送り出し機関の特徴と違い

送り出し機関のルールは、実は国によってかなり違います。

「認定機関を通さないと出国できない国」もあれば、「送り出し機関を使わなくても採用できる国」もあるんですね。

ここを知らないまま話を進めると、あとから「その国はその手続きが必要でした」となりかねません。採用したい国が決まっているなら、先に確認しておきましょう。

ベトナム

技能実習でも特定技能でも、ベトナムから採用する場合は、海外労働局(DOLAB)が認定した送り出し機関を利用する必要があります。

送り出し機関の数がもっとも多い国のひとつで、認定リストはOTITのサイトで公開されています。

一方、本人が負担する費用の平均額も高い傾向にあるため、手数料の内訳確認は特に丁寧に行いたいところです。

インドネシア

インドネシアも認定送出機関の数が多く、日本での就労を希望する人材が集まりやすい国です。若年層の人口規模が大きいことも、注目される背景のひとつですね。

制度面ではやや複雑で、送り出しのルートが複数存在します。

  • P3MI……海外就労人材の送り出しを行う機関
  • LPK……職業訓練機関
  • IPKOL……政府が運営する求人求職システム

特定技能では、IPKOLを通じたルートと、P3MIを通じたルートの2通りがあります。なお、P3MIは技能実習制度における認定送出機関とは別のものなので、混同しないよう注意が必要です。

受け入れにあたっては、礼拝の時間や食事などについて、あらかじめ理解を深めておくと安心です。特別扱いではなく、お互いに働きやすい環境を整えるという視点で考えたいですね。

フィリピン

フィリピンでは、移民労働者省(DMW)が認定した機関の利用が義務づけられています。

特徴的なのが、原則として提携できる送り出し機関は1社のみというルール。また、面接を英語で行うケースもあり、手続きは他国よりやや複雑です。

一方で、本人が支払う費用の平均額は他国と比べて低い水準にあります。

ミャンマー・カンボジア

ミャンマーでは、人材紹介を始める前に、労働・入国管理・人口省(MOLIP)へ求人票を提出して承認を受ける必要があります。ただし、日本国内で採用する場合はこの手続きは不要です。

カンボジアも認定送出機関の利用が必要とされる国のひとつ。ミャンマーとカンボジアはいずれも、特定技能でも認定機関を通すことが求められています。

育成就労制度では国ごとの扱いが変わる

なお、育成就労制度では、原則として二国間取決めを作成した国からのみ受け入れる方針が示されています。

現在は各国から暫定の送出機関リストが順次提出されている段階なので、これから採用国を決める場合は、最新の作成状況を必ず確認しておきましょう。

送り出し機関を利用するメリット

制度上必要だから使う、という側面もありますが、送り出し機関を通すことには企業側にとってのメリットもあります。

「そもそも自社で海外採用なんてできるの?」と考えると、その価値が見えてきますよ。

現地採用をスムーズに進めやすい

海外で人材を募集しようとすると、現地の求人事情も、法令も、集め方も分からない…というのが正直なところですよね。

送り出し機関はその国に根ざしたネットワークを持っているので、募集から候補者の絞り込みまでを任せられます。面接の日程調整も現地側で進めてくれるため、企業は選考に集中できるんです。

教育を受けた人材を迎えられる

来日前に日本語や生活マナー、職場ルールを学んだ状態で来てもらえるのは、受け入れ側にとって大きな助けになります。

配属後にゼロから教えるとなると、現場の負担はかなりのもの。ある程度の土台ができていれば、指導の時間を業務そのものに使えますよね。

ただし、教育の内容や時間数は機関によって差があるという点は忘れずに。「送り出し機関を通したから安心」ではなく、中身を確認することが前提になります。

現地の制度や文化に対応しやすい

海外からの受け入れでは、現地政府への申請やビザ手続きなど、日本側だけでは完結しない作業が発生します。

送り出し機関はこうした手続きに慣れているため、書類の準備や提出をスムーズに進められます。健康診断の実施や結果の通知まで担ってくれるので、監理団体や企業の事務負担も軽くなるんですね。

さらに、文化や宗教、生活習慣についても現地側から情報を得られるので、受け入れ体制を整えるうえでのヒントになります。

来日後のトラブル時にも相談できる

見落とされがちですが、来日後のサポートも大きなメリットです。

母国語で相談できる相手がいるかどうかは、本人の安心感に直結します。生活の悩みや職場でのすれ違いを早い段階で拾えれば、深刻なトラブルになる前に対応できますよね。

日本国内に駐在事務所を置いている機関なら、対応のスピードもさらに期待できます。

失敗しない送り出し機関の選び方

送り出し機関は数が多く、質にも差があります。だからこそ、ここが記事の中でもいちばん実務に直結するパートです。

チェックすべきポイントを順に見ていきましょう。

政府認定を受けているか確認する

まず大前提として、その国の政府認定を受けている機関かどうかを確認します。

認定機関であれば、公的機関からの推薦を受けていることや、法令違反による処分歴がないことなど、一定の基準を満たしていることになります。

認定状況は、OTIT(外国人技能実習機関)やJITCO(国際人材協力機構)が公開している情報から確認できます。詳しい調べ方は、この後の章でご紹介しますね。

教育内容とカリキュラムを確認する

次に見たいのが、送り出し教育の中身です。

  • 日本語教育にどのくらいの時間をかけているか
  • 生活マナーや文化についての指導があるか
  • 安全衛生に関する教育が含まれているか
  • 受け入れる職種に必要な基礎知識を教えているか

「教育しています」という言葉だけで判断せず、カリキュラムや時間数まで具体的に聞くのがポイントです。ここを答えられるかどうかで、その機関の姿勢がかなり見えてきます。

日本語対応・駐在事務所の有無をチェック

現地の担当者と日本語でスムーズにやり取りできるかどうかも重要です。

意思疎通に齟齬があると、条件の伝達ミスや手続きの遅れにつながりやすくなります。日本での就業経験がある担当者がいる機関だと、話が早いことも多いですね。

また、日本国内に駐在事務所や支社があれば、トラブル時の対応スピードも期待できます。外国人本人にとっても、相談できる窓口が近くにあるのは大きな安心材料です。

費用と契約内容の透明性を確認する

費用については、金額そのものよりも内訳を説明できるかを見てください。

技能実習制度では、送出機関は手数料の算出基準を明確に定めて公表し、本人に理解させることが要件とされています。ここが曖昧な機関は、その時点で慎重に判断したいところです。

契約前には、費用内訳・サポート範囲・契約条件を書面で確認しておきましょう。

こんな送り出し機関には注意!

最後に、避けたいパターンも押さえておきましょう。

  • 本人に高額な入校料や手数料を負担させている
  • 本人のサインが必要な書類なのに、筆跡がすべて同じ
  • 現地面接の際に過剰な接待がある
  • 「採用してくれたらキックバックを渡す」と持ちかけてくる

特に最後のキックバックは法律違反にあたり、監理団体の許可取消の対象にもなります。持ちかけられた時点で、その機関とは距離を置くべきサインだと考えてください。

なお、技能実習生がサインする書類は母国語の併記が法律上求められています。この点が守られているかも、確認の目安になりますよ。

認定送り出し機関はどこで確認できる?

「政府認定の機関を選びましょう」とお伝えしてきましたが、では実際にどこで調べればいいのでしょうか?

信頼できる情報源は、大きく2つあります。

OTIT(外国人技能実習機構)で調べる

もっとも基本となるのが、OTITのサイトです。

技能実習制度における「外国政府認定送出機関一覧」が国別に公開されていて、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなど、主要な送出国のリストをPDFで確認できます。

出典:OTIT

過去に認定されていた機関の一覧も別途掲載されているので、「今も認定されているか」まで確認できるのがありがたいポイントです。

なお、育成就労制度の送出機関リストは、技能実習のものとは別ページで公開されています。制度が違えば参照すべきリストも変わるので、ここは混同しないよう注意しましょう。

また、育成就労に関する二国間の協力覚書(MOC)の作成状況も、出入国在留管理庁のサイトで随時更新されています。採用したい国が対象になっているかは、こちらもあわせて確認しておくと確実です。

JITCO(国際人材協力機構)を活用する

もうひとつが、JITCOです。

JITCOのサイトでは、各国の送出政府機関名や二国間協力覚書(MOC)の締結日、認定送出機関の数などが一覧で整理されています。「この国はそもそも取決めがあるのか」を把握するのに便利ですね。

出典:JITCO

さらにJITCOでは、独自に収集した情報をもとにした送出機関概要書の提供や、監理団体とのマッチングセミナー、送出し国事情の説明サービスなども行っています。

賛助会員になると、より詳細な情報提供やモデル協定書の参考提供などの特典も用意されているので、本格的に受け入れを進める企業は検討してみてもよいかもしれません。

リストを見るときの注意点

リストを確認する際は、次の点を意識しておくと安心です。

  • リストは随時更新されるため、必ず最新版を参照する
  • 育成就労制度では、現在は「暫定」段階のリストが多い
  • 暫定リストに載っていた機関が、認定リストに残るとは限らない
  • 認定されている=自社に合っている、とは限らない

リストはあくまで「候補を絞るための入口」です。そのうえで、教育内容やサポート体制を個別に確認していきましょう!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

送り出し機関の役割や仕組み、監理団体・登録支援機関との違い、費用の目安から選び方まで詳しくご紹介してきました!

今回の重要なポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 送り出し機関は、海外で人材を募集・教育して日本へ送り出す現地の機関
  • 技能実習の団体監理型では利用が必須、特定技能は国によって扱いが異なる
  • 育成就労制度では、二国間取決めを作成した国からの受け入れが原則
  • 送り出し機関は募集・教育・書類手続き・出国支援まで幅広く担当する
  • 送り出し教育の質は、来日後の定着や職場適応に影響する
  • 監理団体は「日本・技能実習」、登録支援機関は「日本・特定技能」が担当領域
  • 費用は「企業側が支払う分」と「本人が負担する分」を分けて確認する
  • 政府認定の有無や手数料の透明性は、必ず事前にチェックしておく
  • 認定状況はOTITやJITCOで確認できるが、リストは随時更新される
  • 監理団体は育成就労制度で「監理支援機関」へ移行し、許可の取り直しが必要になる

送り出し機関は「制度上必要だから通す相手」ではなく、来日前の教育や手続きをまるごと任せるパートナーのような存在です。

だからこそ、どこを選ぶかで受け入れ後の景色はかなり変わってきます。

認定を受けているかはもちろん、教育の中身や費用の内訳、来日後のサポート体制まで。気になる点は遠慮せず質問して、納得できる相手を見つけてくださいね。

制度の内容は今後も更新される可能性があるので、最新情報をこまめにチェックしながら、自社に合った受け入れ体制を整えていきましょう!